大手商社の元社長「6月に詰む」(ナフサ不足の深刻化)

こんにちは、中西です。

 

日本を代表する総合商社の丸紅で社長・会長を務めた人物が、現在ナフサが不足していて

 

「6月に詰む」

 

可能性があることを認めました。

 

ナフサ不足の危機を4月初旬にTBSの報道特集に出演して訴え、「6月に詰む」と主張した境野春彦氏に対し、「デマを拡散する専門家」扱いした高市総理は、

 

丸紅の元社長も早くデマ扱いしてください。

 
 

▼ナフサ由来の化学品、早ければ6月末に不足の可能性-丸紅元社長が警鐘(Bloomberg) – Yahoo!ニュース

 
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e5b5a6cba53af6538ac19b36e6c97a14711e304

 
 

記事から一部引用しますと、

 

『ナフサ由来の化学製品は早ければ6月末には供給不足が生じる可能性がある。

 

政府は年を越えて供給可能との見通しを示すが、丸紅で社長・会長を務めた国分文也氏がそんな厳しい見方を示している。

 

国分氏は25日、日本エネルギー経済研究所(IEEJ)主催のウェビナーで、

 

中東から調達していた1500万キロリットルのナフサを代替調達するのは「不可能だ」と指摘。

 

遅くとも8月末から9月ごろに供給不足が出てくる恐れがあると述べた。

 

今回の問題の本質は政府が言う流通の目詰まりではなく、「莫大な供給ソースが消えている」ことだと続けた。』

 
 

この国分氏は1975年に丸紅に入社した後、エネルギー分野を中心にキャリアを築いた方のようです。

 

そして2013年から2019年まで社長を務め、その後2025年までは会長を歴任。

 

現在は丸紅の名誉顧問に加え、日本のエネルギー政策を研究するIEEJの客員研究員を務めているようです。

 

簡単に言うと、日本のエネルギー分野の現場を国内トップクラスで知り尽くした専門家と言って間違いないでしょう。

 

その国内トップで現場に精通している人物すら、ついに「早ければ6月にナフサが供給不足に陥る」ことを発表したわけです。

 

ちなみにこのメルマガでは3月から訴えていましたので、日本を代表する総合商社より、専門外のド素人の私の方が2カ月以上早かったわけでございますな!(´ー`*)ドヤ

 

さらに記事では以下のように続いています。

 
 

『石油化学工業協会によると、5月には中東以外からナフサの輸入量は3倍に増える見込みだ。(中略)

 

国分氏は日本がナフサの代替調達を進める米国について、何百万キロリットルもの量を同国から継続的に輸入するのは「あまり現実的ではない」と述べた。』

 
 

・・・ということで、まず最初の引用部分で国分氏は

 

「中東以外から、中東分を代替調達するのは不可能だ」

 

と、「不可能」とまでハッキリ断言されていました。

 

これも本メルマガでずっと解説してきた通りです。

 

中東以外からのナフサの輸入は、もともと45万klでしたが、4月にそれを2倍にしました。

 

ところが、もともと中東以外からの輸入は全体の22%しかなかったので、2倍の90万klにしたところで全体の44%にしかならないため、在庫を減らすしかないのです。

 

ところが、ナフサはその性質上、在庫を石油のように長期間持つ事はできない。

 

その2倍のまま5月も時間が過ぎて在庫を減らした場合、在庫が枯渇して、

 

6月にナフサの供給できる量が需要を下回るので、日本全体としては大変な事態に陥る。

 

それを境野春彦氏は、「6月に日本は詰む」と表現したわけです。

 

これはまったく妥当な表現だと、本メルマガではお話ししてきました。

 

では、2倍ではなく3倍の135万klにしたらどうかということも、あらかじめ計算して4月初旬にはお伝えしていました。

 

これも繰り返しお伝えしてきた通り、3倍の135万klになったところで66%にしかならないので、消えた中東からの輸入分(78%)を補うだけの分量にはなりません。

 

4倍になればようやく需要を満たすことができますが、世界中でナフサ争奪戦になっている中で、日本だけが4倍もずっと確保できるかどうかです。

 

これは1カ月だけでなく、4倍を1カ月も欠かさず毎月連続で確保し続けないとダメなわけですが、そんなことができる可能性は非常に低い、という話をしてきました。4倍界王拳は長くは続かないのです。

 
 

また国分氏は、アメリカからのナフサの代替調達についても「あまり現実的ではない」と主張していますが、これも本メルマガで何度も解説してきた通り。

 

少しややこしいのは、アメリカの原油の質自体は軽い軽質油なので、ナフサ自体は作りやすいのですが、

 

アメリカが輸出できる総量から考えると代替にならないばかりか、他の国もアメリカ産の原油を欲しがるので、日本にだけ大量に分けるわけがありません。(仮に限界まで分けてくれても足りない。)

 

おまけに、日本とアメリカの距離から導き出される必要なタンカーの台数から考えて、アメリカからの代替調達というのは、ほとんど不可能に近いということをお伝えしてきました。

 
 

結局、このメルマガで2カ月前から散々訴えてきたことが、ようやく日本を代表する総合商社の中でも、トップレベルで現場を知り尽くしたエネルギー専門家の元社長も、ついに認めざるを得ない状況になってきたということです。

 

3月から本メルマガで訴えてきたことは他にも多数ありますが、それが今回の話と同様に現実化していったらどうなるかというのは、散々書いたので今回書きません。

 

想像すらしたくないような危機的状況になるわけでございます(つД`)

 
 

これはホルムズ海峡が封鎖された時点で、最初から確定していた未来なのです。

 
 

現実はいろいろ動いているので、多少のタイミングの誤差が生じるとはいえ、

 

大筋では根本のホルムズ海峡が供給を停止していて、それ以外のすべての代替ルートがホルムズ海峡分を補うことができないわけですから、

 

遅かれ早かれ日本が詰むというのは必然なのです。

 

それが覆ることがあるとしたら、ホルムズ海峡の封鎖が開放された時のみ。

 

封鎖がいつまで経っても続くようなら、日本は終了。想像を絶する惨事になると。

 

見るべきセンターピンは「ホルムズ海峡が完全開放されるか」だけなので、ある意味、シンプルな話なのです。

 
 

ホルムズ海峡が開放されれば、数カ月ほどかかるにしても徐々に回復していくので、拍子抜けする感じで事態は収束していくでしょう。

 

しかし、当然すでに多くの業界で被害が出ていますので、被害を出しながらも収束していく形になるということです。

 

なので、明日ホルムズ海峡が完全に開放されたとしても、誰も被害を受けないで済む最善のシナリオは、もう来ないことが確定しています。

 

今日本中で起こっている中小零細の人たちの地獄の苦しみを踏み台にしながら、少しずつ息を吹き返していくような形になるわけです。

 

一方で、もし夏~秋頃までホルムズ封鎖が続いてしまったら、本当に想像を絶する信じがたい事態になることは避けられません。

 

我々にできることは多くありませんが、備蓄をしていない人がどうなるかは、少し考えれば誰でもわかるはず。

 

それでも明確な根拠がなく「何とかなる」と言い張る人は、正常性バイアスか平和ボケ以外の理由が、私には見当たりません。