4月の石油統計の結果がヤバい(前編)

こんにちは、中西です。

 

5月28日に、政府が石油の4月の統計を発表しました。

 

この統計は、今後どうなるかが見える非常に重要な数字なので、今回は2回に分けてその話を。

 
 

4月初旬の時点で、資源エネルギー庁アドバイザーの境野春彦氏が、報道特集という番組に出て訴えた時のグラフがあります。

 

この数字を元に「6月に詰む」と表現したら、高市総理が全否定し、境野氏が大炎上したわけですが、

 

結局、彼の主張が正しかった可能性が著しく高い状況になってきました。

 
 

その時の境野氏の予測では、当時「中東以外からのナフサの輸入が4月は通常時の2倍」になるとの見込みで、それを元に計算されていました。

 

中東以外からの輸入:通常時45万kl→4月は90万kl

 

その時点で、5月も引き続き2倍の90万キロリットルの輸入だったシミュレーションをされてました。

 

グラフではなく文章で伝えるのは難しいですが、端的にまとめますと、こんな感じ。(ソースは政府公開の一次資料)

 
 

①通常時のナフサの需要は月290万kl

 

②通常時のナフサの中東からの輸入:月155万kl

 

③通常時のナフサの中東以外からの輸入:月45万kl

 

④通常時のナフサの国内生産分:月110万kl

 

⑤国内にあるナフサの在庫:150万kl

 
 

通常時は、①(需要)≦②+③+④(供給)なので、供給が需要を満たしていました。

 

ところがホルムズ海峡封鎖で②が0になったわけです。

 

結果、4月は以下のようになると見込まれました。(4月初旬の時点)

 
 

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<4月のナフサの見込み>

 

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①通常時のナフサの需要は月290万kl(変わらず)

 

②通常時のナフサの中東からの輸入:月0万kl(0になった)

 

③通常時のナフサの中東以外からの輸入:月90万kl(45万klの2倍に)

 

④通常時のナフサの国内生産分:月110万kl(変わらず)

 

⑤国内にあるナフサの在庫:60万kl(150万klから90万kl減った)

 

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つまり、供給できる量は②+③+④=200万klに激減。

 

しかし200万klでは需要290万klより90万kl足りないので、その足りない90万klは在庫を取り崩して使うしかない(←重要。覚えておいてください)。

 

よって、4月の時点で国内にあった在庫150万kl→60万kl(90万kl減)に激減。

 

その激減した60万klのまま、5月に入っているのです。

 

で、5月は中東以外からの輸入を(4月の2倍=90万klから)3倍=135万kl(45万kl×3)にまで増やしたと、

 

政府はいかにもナフサの供給問題が解決しているような言い方をしていますが、計算したらどうなるか。

 
 

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<5月のナフサの状況(見込み)>

 

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①通常時のナフサの需要は月290万kl(変わらず)

 

②通常時のナフサの中東からの輸入:月0万kl(0になった)

 

③通常時のナフサの中東以外からの輸入:月135万kl(45万klの3倍に)

 

④通常時のナフサの国内生産分:月110万kl(変わらず)

 

⑤国内にあるナフサの在庫:15万kl(60万klから45万klを使う)

 

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5月の供給=②+③+④=245万klなので、需要290万klに45万kl足りない。

 

その足りない45万klは、残りわずか60万klから使うので、6月に入る時点で在庫は残り15万klしか残っていない。

 

よって、政府が言うように6月も中東以外から3倍の135万klを輸入できたとしても(しかもまだ見込みでしかないですが)、

 

6月も5月と同じく需要より45万kl足りなくなるのに、在庫が15万klしか残っていない。

 

つまり30万kl(15万kl-45万kl。需要の約1割)が足りなくなる=供給が需要を満たせない=詰む、ということです。

 
 

中東以外から5月は3倍の見込みがたっていますので、上記の通り90万klではなく135万klが輸入できることになっているのですが、

 

私は 「中東以外を3倍にしても足りなくなる」ということをずっと指摘してきました。その数字の根拠は上記の通り。

 

結果、まず現場レベルでは、三菱重工や丸紅のトップが発表したように、5月末現在、ナフサが供給不足に陥って、最大手すら手に入らなくなってきているわけです。

 
 

そして昨日5月28日に、政府が4月分の石油統計を発表しました。

 

上記はあくまで4月初旬の予測だったわけですが、実際はどうだったか。

 
 

・・・「どうするんだこれ!?」と叫びたくなるレベルのとんでもない状況が判明したのですが、

 

少し長くなるので、続きは次回で。

 
 

To be continued