NHKは石油危機の深刻さをまともに報道する気がない

こんにちは、中西です。

 

前回は原油の代替調達に関するテレビ朝日の偏向報道についてご紹介しました。

 

簡単に言うと、アラスカ産とアフリカ産の原油が到着して、まるで今後の原油の調達が安心かのような印象を与える報道をしているのですが、

 

届いたのは何日分だったかというと、1日分すらなく、たった「3分の1」日分で、

 

時間にすると8時間分しか到着していませんでした。

 

8時間分なんて焼け石に水にもほどがあるわけですが、そういった部分は分からないように報道しています。

 
 

さらに天下のNHKも、同じような印象操作をする報道をしておりました。

 
 

▼米と南スーダン産“代替調達”原油到着
去年6月比 7割超確保へ(NHK)

 

この報道をふわっと見ている人や、タイトルだけ見てざっと理解した人は、

 

「お、代替調達が進んで安心できる状況になってきているっぽいな!」

 

と受け取る可能性が非常に高いです。これこそがまさに印象操作。

 

確かに記事の最後の方では、分量が半日分だとはさらっと書いているのですが(最近は分量を書かない記事は炎上しますので、炎上回避のための記載でしょう)、

 

「半日分」ということは全く安心できない、わずかな量に過ぎないという事実については一切書かずに、あたかも代替調達が7割できて安心かのような報道をしているわけです。

 
 

ちなみに記事では、アメリカのアラスカ産の原油とアフリカの南スーダン産の原油を合わせると15万キロリットルが到着するとなっていますが、

 

15万キロリットルというのは約94万バレルです。

 

そして日本の1日の消費量は約300万バレルなので、3分の1にも満たないということです。

 

NHKがこの15万キロリットル(=約94万バレル)を「半日分」と報道しているのは、

 

おそらく政府の備蓄日数の換算で使用している「1日の消費量180万バレル」という、(備蓄日数を多く見せかけるために経産省がでっち上げた)全く現実とはかけ離れた数字を基準にしている可能性が高いです。

 

さすがに1日の消費量180万バレルだと事実とかけ離れすぎているので、5月ごろから経産省が基準にしている日量236万バレルで計算しても、94万バレルは半日をはるかに下回ります。

 

記事内ではそういったことは都合が悪いから一切書かないわけです。

 
 

また、記事には以下のように書かれています。

 

「経済産業省によりますと、中東情勢の悪化以降、2026年4月には原油の輸入量が2025年の実績の35%まで落ち込みましたが、

 

アメリカなどからの代替調達が進められ、6月は2025年の7割以上まで確保できる見通しが立ったとしています。」

 
 

アメリカの原油は中東の原油と違って非常に軽い軽質油なので、日本の石油精製所ではまともに扱えないということは絶対に書かないわけです。

 
 

日本の石油精製所は中東の中質・重質油に最適化されていますので、それとは質が全然違うアメリカ産の原油だけを生成することは非常に難しく、

 

無理をすると機器が壊れる可能性もあるため、中東の原油(備蓄含む)と混ぜ合わせながら、騙し騙しアメリカ産の原油を使うしかないのです。

 

しかもアメリカ産のような軽質油からは重油が非常に取りづらいため、重油を扱う産業には助け船にはほとんどなりません。

 

そういった政府に都合の悪い(しかし国民にとって本当に重要な)情報はNHKは絶対に報道しない。

 

理由は、政府は石油危機の深刻さをとにかく隠蔽しまくる方針ですので、政府とズブズブのNHKはそれに従うということ。もはや完全に政府の広報でしかありません。

 

もうジャーナリズムどころか報道機関として終わっていると思います。自分たちのおいしい高給を維持するために、国民に真実を伝えない組織に成り下がっているわけですから。

 

私は家に20年以上テレビを置いてないので受信料など払いませんが、払ってたら「こんな報道しかできないなら金返せ!」ってブチ切れそう。というか払ってなくても切れてるのに。実に健康に悪い政府の広報機関です。

 
 

ちなみに記事では「去年6月比で7割超確保へ」などといかにも状況は悪くないような印象を与える書き方をしていますが、

 

普通に考えて、「3割も確保できていない」わけですから、この状態がこのまま続けば、日本国内は大惨事になります。

 

繰り返しますが、最初の備蓄250日はそもそも大嘘で、最初から100日前後しかなかったわけです。

 

1日の消費量をわずか180万バレルにした上で、民間備蓄を全部使える前提で換算するというのは完全に狂っているのですが、それを国民の大半が信じているわけです。

 

来年4月まで持つという政府の発表も、アメリカが6月のように前年比7割ほどをずっと来年4月まで輸出してくれたらという、勝手な希望的観測でしかないものを、まるで来年4月まで必ず続けてくれるという前提に立って発表しているのです。

 

(仮にその希望的観測通りになったとしても、そもそも上記の通り、アメリカ産の原油は軽質油のため長期的な代替調達としては使えない。ついでに言うとタンカーの台数も全く足りてない)

 
 

3ヶ月単位で石油の購入の交渉が行われるのですが、4月から6月分はすでに終わっており、まもなく7月から9月分の交渉に入ります。

 

そのときにこれまでと同様にアメリカが販売してくれる可能性は低いのは、最近お伝えしてきた通りです。

 

世界中で石油争奪戦になっているわけですから、当たり前。

 

しかも先日紹介したとおり、アメリカ自身の石油備蓄も「残り17日」まで、この1ヵ月くらいで急激に激減しているのです。

 

アメリカが自国の原油をしっかり問題なく使えるなら、備蓄を取り崩す必要がないわけで、備蓄を残り17日まで取り崩さざるを得ないような状況になっているということです。

 

そんな状況のアメリカが、なぜ7月以降も日本にだけ原油をたくさん売ってくれる前提で日本の備蓄を考えるのか、個人的には意味がわかりません。

 

このあたりについては、何度かご紹介した「痛風のアストロエコノミスト」さんという現場の農家の方が、xで以下のように投稿していました。

 
 

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7割確保できたって大本営発表に騙されんな。

 

これ、日本の物流の3割が強制終了するっていう死の宣告だっぺ。

 

アメリカやアフリカから代替の油が届いたって喜んでるげんど。

 

記事をよく読めな。

 

かき集めてやっと届いたのは、たった半日分だど。

 

たった半日分のカロリーで、ニュースのトップになる異常事態だっぺ。

 

7割まで回復じゃねえ…

 

3割の油が欠損したんだど。

 

人間の血が3割抜けたら即死する。

 

物流も農業も同じだっぺ。

 

100%の燃料でギリギリ回ってたスーパーへの配送網が、3割削られて維持できるわけがねえ。

 

調達コストも超高額になっているはずだっぺよ。

 

燃料価格にどんだけ影響がでっぺかな?

 

もう一度言う。

 

安易に騙されんじゃねえぞ

 

(引用:NHKニュース)

 

米と南スーダン産“代替調達”原油到着 去年6月比 7割超確保へ

 

痛風のアストロエコノミスト (@triple_362)

 

7:13 2026/06/08 7.3万回表示

 

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まとぅー:

 

「しかも産地が違うから…どうなることやら…(´・ω・`)」

 

痛風のアストロエコノミスト:

 

「その通りだっぺ。精製効率が落ちてっぺな。」

 

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nanana:

 

「昨日スーパーで目の当たりにしました

 

特にお値打ち価格や季節もので大売り出しって訳でもない通常商品を棚の穴を埋める様にそればかりが陳列されていました

 

元々何が売られていた箇所だったか、思い出せない程ですが冷蔵の加工品です

 

パッケージも色が薄くなった物もいくつか目立ちました

 

明らかな変化」

 

痛風のアストロエコノミスト:「鋭い観察力だっぺ」

 

山田小太郎:

 

「7月に米国の戦略石油備蓄放出が終了する。現在ここから週に900万バレルが市場に供給されている。」

 

まり子:

 

「アフリカから代替輸入できたと言え量は1日分の1割程度でしたね」

 

痛風のアストロエコノミスト:

 

「地球の裏側から必死にかき集めても、たったの1割だっぺ。絶望的な数字だっぺよ。」

 

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・・・ということですが、ちなみに、最後の方の「アフリカからは1日の1割」というのは、前回書いた

 

南スーダン産は約23万バレル

 

という点から来てます。

 

つまり、ようやく到着して大々的に報道されているアフリカ産の原油など、国内の1日の消費量のわずか1割(時間にしたら2時間半くらい!)にしかならない、ということ。

 

ところが、テレ朝もNHKもそういう最も重要な部分は伏せていたり、解説しないわけです。

 

ふわっとマスコミ報道を見て、だいたいの状況を理解したつもりになっている人たちは、ほぼ例外なく全員マスコミと政府に騙されることになります。