こんにちは、中西です。
大手メディアが、いよいよ本格的にナフサ不足の危機を報道し出しました。
さまざまな現場の状況も取材していますし、そもそも根本的にナフサがどういう性質のものかについても解説しています。
▼ナフサ不足でスーパーマーケットの風景が一変 無料の“アレ”も撤去 「ガソリン補助が間接的にナフサ不足を引き起こしている」専門家の真意は?
政府・高市総理がナフサについて、複数の嘘を4月からずっとついてきた大問題については触れていません。
ただ、勘のいい人にはそれがわかるようになっている、悪くない記事だと思います。
言うまでもなくマスコミのジャーナリズムなど、とっくの昔に死んでいます。
それでも今回は、さすがに自分たちにも大被害が及ぶのがわかってきたので、
政府の大本営発表に反してでも、なんとか事実を伝えようとする姿勢が見て取れます。
ただ、報道があまりにも遅すぎます。どれだけ事態が深刻化していると思っているのでしょうか。
私がこのナフサ不足の問題を最初にこのメルマガで取り上げたのは、3月9日です(件名「イラン戦争で石油ショックがガチで来る理由」の回)。
電力の燃料となるLNG(液化天然ガス)の問題については3月2日に詳しく書きましたが、その1週間後にナフサ不足のリスクを初めて取り上げました。
ナフサ問題の復習にもなるので、その回の本文から一部引用します(すでにナフサ問題がどういうものか頭に入ってる方は飛ばしてください)
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タイトル「イラン戦争で石油ショックがガチで来る理由」(3月9日配信)
(前略)
そのエチレンの原料の「ナフサ」の備蓄が20日しか国内にはないということなのです。(ここまでは普通の事実)
流れで言うとこんな感じ。
【 原油→ナフサ(液体)→エチレン→様々な医療用品・日用品 】
ナフサからできるものは大量にあり、私たちの日常生活に密接にかかわる商品ばかりです。
ナフサからは、エチレン以外にも、プロピレン、ベンゼン、キシレン、ブタジエンなどの石油化学製品が作られ、
そこからレジ袋、食品容器、ペットボトル、衣料品、タイヤ、塗料、洗剤など、
身の回りのさまざまな製品が作られています。
<ナフサからできる製品例>
・レジ袋、食品ラップ、食品包装
・シャンプーや洗剤のボトル
・食品容器、自動車部品、医療機器の外装
・タイヤ、靴底
・ペットボトル
・カップ麺の容器、断熱材
・ポリエステルの衣料品
・塗料、接着剤、合成洗剤
日用品として必要なものばかりです。医療関係の製品も多いです。
コンビニに並ぶペットボトル飲料も、スーパーで手に取る食品パッケージも、赤ちゃんの紙おむつも、すべてナフサなしには製造できません。
医療関係ですと、ナフサは、注射器、点滴バッグやチューブ、酸素マスク、薬の容器、検査容器、医療機器の外装など、
医療現場で使われるさまざまな製品の原料にもなっています。
このナフサも7割が中東から輸入されていてホルムズ海峡を通ります
(中略)
そこで心配になって、このナフサの備蓄が20日間しかないことで実際のところどのようなリスクがあるか調べてみました。
しかし意見が割れていて、専門家も現場の人も誰も情報を出しておらず、
マスコミもエチレンは報道していますが(日用品の多くの原料なので)、ナフサの報道は見当たりませんでした(私が調べた限り)。
そもそもナフサは原油から作られる液体の燃料で、そのナフサから気体のエチレンができる流れになっています。
そのナフサは、先ほど言った通り7割を中東のホルムズ海峡経由の輸入で頼っているのですが、
どうやら国内でナフサを作れるようなので、その元の原料となる原油さえ途絶えなければ、
ナフサがなくなって医療現場が停止してしまうという最悪の事態にはならない・・・という意見もありました。
ところが、確かに国内でもナフサは作れるようなのですが、フル稼働しても、需要に追いつけるレベルの供給(生産)はできないようなのです。
(後略)
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上記の通り、3月9日にマスコミがナフサ問題を取り上げていないことを指摘していたのですが、
マスコミが最初にしっかり取り上げたのは、私が知る限り4月7日頃の報道特集だったかと思います。
で、その放送翌日に、高市総理がナフサ不足を全面否定。番組も出演した専門家(境野氏)も総理が自ら批判。
その真偽を自分では調べず、そのまま鵜呑みにした学者・ジャーナリスト・評論家らが、
「高市さんがナフサ不足を否定している」
だけを根拠に、ナフサ不足の危機を訴える人たちをデマや煽り扱い。
結果、その後1ヵ月近くは、その「有識者」らの見解をこれまた自分では何も調べず鵜呑みにした一般人が誹謗中傷をしまくり、
一般の配信者・インフルエンサ―らも「有識者」らの見解にのっかり、誹謗中傷しまくりで総攻撃をする地獄絵図でした。
そういえば(敬称略)高橋洋一、櫻井よしこ、門田隆将とか、このあたりの「高市さんが言っていた」を根拠にナフサ不足は嘘とか言ってたド素人以下の「有識者」の皆さんは、当然もう謝罪してますよね?(謝罪してないなら言論界を引退した方がいいと思います。)
いずれにしろ、このレベルの有識者らは論外として、マスコミすら超ど素人の私より2ヶ月以上も遅かったわけですが、ここまで事態が深刻化しないとまともに報道しないわけです。
その間、境野氏ら危機を訴えていた一部の人たちは、自分では何も調べず正常性バイアスに陥った人たちから、「煽りだ!」「陰謀論!」とかなんとか、山ほど誹謗中傷を受けておられました。
私はネットで数名から「パヨク!」とか言われた程度なので大したことないです(彼らは高市総理をわずかでも批判する人間=全員パヨクらしい)
今ではそんな彼らもほとんど消え失せましたが、当然、自分たちの間違いを謝罪した人間は一人もいません。
これまでも他の複数のテーマで常にそうだったので、言い切っていいと思うのですが、
マスコミは常に、このメルマガより数ヶ月から数年遅いです。
「遅い」ならまだいい方で、永久に嘘をつき続けている分野も複数あります。
今回はマスコミ自身も被害者になるので報道し始めたわけで、これはまだいい方ですが、
それでも事態がここまで深刻化するまで、これだけの戦後最大の危機をまともに報道しなかったわけです。
逆に言うと、国内でこれから起こることは、すでにこのメルマガで、3月から何度も何度も何度も書きまくっているので、
まだマスコミが報道されていないことについては、数ヶ月後にこのメルマガの後追いでようやく報道し出す可能性が著しく高い、とも言えます(自分で言う)。
この後、国内で何が起こるかは散々書いてきたので改めて今回は言いませんが、
私の代わりに、現場監督を28年務めておられる経営者の方が、現在のナフサ不足について言及しておられましたので、
今回はその投稿をご紹介して締めたいと思います。
このメルマガでずっと書いてきた
「『ナフサの在庫は4ヵ月ある』の嘘」
について、現場の方の視点で解説しておられます。
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政府は「在庫4ヶ月分ある」と言った。
中身は原油だった。
これ、ちゃんと知っておいてください。
怒るためじゃない。
騙されないためです。
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2026年4月14日。
経済産業省は会見でこう発表しました。
「日本全体として、ナフサは必要量を確保できている」
「目詰まり解消に取り組む」
ニュースでもこう流れた。
「在庫は4ヶ月分ある。心配ない」と。
でも、この『4ヶ月分』の中身を見ると、話が変わります。
ファクトチェックセンターの取材で、
専門家の境野氏がこう答えています。
「政府が『2ヶ月分ある』と主張するナフサも、
原油の状態で、まだナフサに精製していないものを含む」
つまりこういうこと。
冷蔵庫に「肉4ヶ月分ある」と言っているけど、
開けてみたら半分は「これから捌く牛が牧場にいる」状態。
すぐ食べられる肉は、ほんの少ししかない。
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実際の数字です。
国内の「すぐ使えるナフサ在庫」
= 2026年1月時点で0.45ヶ月分
4ヶ月どころか、半月もない。
経産省自身も認めています。
「ナフサから作られる中間製品が膨大で、
何がどれだけあるか、詳細を把握するのは困難」
把握できていないものを「ある」と言っている。
これが現実です。
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なぜこれを知ってほしいか。
「政府が大丈夫と言ってるから」を信じて、
塗料・シンナーの仕入れ計画を立てた塗装業者は、
6月にほぼ全員が詰みます。
「在庫4ヶ月」という数字は、
精製会社・石化メーカー・商社の在庫を全部足した数字。
現場に届く頃には、ほぼ残っていません。
毎日現場に出ている皆さん、
お客様への見積もり期限を決める時、
この前提で動いてください。
「2〜3ヶ月後に同じ単価で塗料が入る」前提は、危険です。
元請転換請負人|北野|
午後9:00 2026年5月20日 20.1万件の表示
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以下、上記の北野氏の投稿に対する別の方の意見。
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塗装業界、今マジでヤバい状況になってるわ…
政府は「ナフサ4ヶ月分確保できてる」って言ってるけど、
実際は契約の見込み量とか原油のままのが大部分で、
すぐに使える精製済みの実在庫は0.5ヶ月分くらいしかないらしい。
シンナーも硬化剤も「週2回注文しても半分しか入らない」状態が続いてて、
工期遅れや週休4日化が普通になってきてるのに、
まだ「総量で大丈夫」って誤魔化してる感じ。
もう総量の机上論じゃなくて、
品目別でちゃんと実在庫と出荷見込みを毎月公開してほしい。
元請け28年の現場監督さんが言ってるんだから、
これは本気の声だと思う。重く受け止めた方がいいよ
はれるや
午後11:28 2026年5月20日 19.6万件の表示
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・・・ということで、最初の北野氏は
『「政府が大丈夫と言ってるから」を信じて、
塗料・シンナーの仕入れ計画を立てた塗装業者は、
6月にほぼ全員が詰みます。』
とおっしゃってますが、塗装業界が詰むなら、同時に建設業界も詰みます。
これは建設業界の複数の方がおっしゃってましたが、塗装ができないと建設の計画も全部止まるとのこと。まあ普通に考えて当たり前かと。
建設業界がGDPに占める割合を考えれば、これからどれほど大変な事態になるか。
どれだけ控えめに言っても「高市大恐慌」とも言える日本史上最大規模の人災が起こる可能性が、このままいけば著しく高いです。
この予測は外れてほしいものですが、論理的には必然なので、そうならないことを祈るのではなく、
リスク管理の基本に立ち返り、「そうなる前提」であらゆる準備をするのが正しい行動なのです。