こんにちは、中西です。
前回は5月28日に政府から発表された、石油の4月統計について、
まずは4月初旬の時点で、4月と5月にどのような見込みが立っていたかをお話ししました。
と言っても、その内容は基本的には4月にこのメルマガで書いていたものが多かったですが、
あくまで数字ベースの話なので、私のように数字が苦手な方は面白くなかったかもしれません。
ただこの話ばかりは、私たちの数ヶ月後の危機的な未来を決定づける数字の話なので、苦手云々とか言っている場合ではなく、
私もド文系の数字とか大嫌いな人間ですが、皆さんになるべく正確な状況を伝えるべく頑張っております。
なにせ「有識者」「大手メディア」とされる皆さんが、あまりにも全く信用できない状況ですので仕方がありませぬヽ(`Д´)ノ まあそれはずっと前からですが。
で、前回は4月初旬の時点での4月と5月の見込み(予測)がどうだったかをお話ししたわけですが、
今回は一昨日の5月28日に発表された、実際の4月の石油統計を紹介の上、考察します。
この数字をお伝えする上で、ひろゆきさんと資源エネルギー庁アドバイザー境野春彦さんが、
今回政府が発表した4月分の統計について、それぞれ分析されていたので、まずはそちらを転載します。
境野さんは政府の一次資料から、ひろゆきさんは同じく政府(財務省)が発表した内容を報じた共同通信から、それぞれ引用しています。
※境野さんはリンクを貼っておられませんが、ソースの経産省の発表内容はこちら。
▼石油統計速報 令和8年4月分
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuso/result.html
※ひろゆきさんのソースは以下。
▼4月のナフサ輸入量47%減 代替調達は進展 | NEWSjp
https://news.jp/i/1432651250587042745?c=768367547562557440#
ひろゆきさんは、昨年の2025年4月のナフサ輸入量と、今年の4月の発表されたばかりのナフサ輸入量を比較していました。
その下は境野さんの投稿。境野さんも項目ごとに分けて昨年4月と比較しています。
まずはひろゆきさんから。
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財務省の貿易統計
2025年のナフサ輸入量は240万キロリットル
2026年のナフサ輸入量は114万キロリットル
4月に100万キロリットル以上不足してるのが事実です。
それとも、財務省にヒアリング行く?
(画像:ナフサの輸入量推移グラフ)
(引用:ひろゆき)
真実より気持ちの良い嘘の時代。
ひろゆき (@hirox246)
16:42 2026/05/29 17万回表示
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ひろゆきさんの「財務省にヒアリングに行く?」は、言うまでもなく皮肉です。
次は、境野さんの投稿。
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石油統計速報4月分(本日13:30公表)
ナフサ
国内生産:90.7万kl(前年117.4万kl、77.2%)
海外輸入:110.3万kl(前年196.0万kl、56.3%)
国内販売:193.8万kl(前年300.9万kl、64.4%)
国内の稼働率が落ち、生産が前年の8割弱、
輸入が激減して前年の5割強、
結果として販売が前年の2/3程度しか出来なかった。
明白な供給量不足による国内需要の強制減退。
これでもまだ、民間事業者による「目詰まり」が原因と言うのでしょうか?消費者による「買い占め」が原因と言うのでしょうか?
他責もそろそろ、限界に来ています。
境野春彦 | エネルギー問題 (@LPGadvisorJP)
15:23 2026/05/29 6.5万回表示
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以下は、上記の境野さんの投稿へのLevelgreen 2002という方のコメント。
境野さんの上記のデータを項目ごとに足したものですが、ポイントがわかりやすくまとまってます。
(以下の「供給総量」=上記の「国内生産」+「海外輸入」)
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これ重要なのは、
「販売減= 需要減」ではない点。
供給総量
313万kl → 201万kl(▲36%)
販売
300万kl → 193万kl(▲35%)
つまり“需要が消えた”のではなく、
供給が消えた分だけ「販売」が消えている。
これは「目詰まり」ではなくて
かなり物理的供給不足に近い動きです。
(リプライ:境野春彦 | エネルギー問題)
ご指摘の通りです。
Levelgreen 2002 (@TzPLtr0a5EbJ20F) 7時間前
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Levelgreen 2002さんが指摘してるのは、「供給の総量」と「販売(した量)」が共に昨年4月より35%・36%とほぼ同じだけ減っている点です。
これが何を意味するかというと、今年の4月に販売量が大きく減ったのは、ナフサの「需要が減少した」のではなく、
「ナフサの供給が根本的に激減(3割以上減)した」
ということ。
ようは、高市総理をはじめ、政府が4月から散々否定しまくってきた「ナフサの供給不足はデマ」という発表が、
皮肉にも政府の発表した4月の石油統計で嘘だったことが判明した、ということです。
昨年4月と比較して減少した供給量の「割合」は約35%ですが、量でいうと1ヵ月あたり約100万kl足りなくなった状況。
ざっくり言うと供給が3分の1減った結果、販売も3分の1減ってしまい、需要の3分の1を満たせなかった。
その供給不足の約100万klは、前回ご紹介した境野氏が4月初旬に報道特集で提示したグラフに基づく、
大炎上した「6月に詰む」の流れの4月の不足分として算出された90万klとほぼ一致しています。
境野さんのデータはあくまで過去の平均値に基づく数字から算出していますので、当然実際の4月の統計データとはズレが生じるわけですが、
それでも供給不足の予想90万kl→実際は約100万klだったわけですから、境野さんの予測は、
「少なくとも4月分についてはほぼ当たっていた」
と言っていいと思います。
5月の統計データが発表されるのは6月末でしょうが、5月は4月初旬の予想とは違う形になることが最初から分かっています。
境野さんは4月初旬の時点で分かっていた「4月の中東以外からの輸入は2倍(90万kl)になった」という発表を元に、それが5月・6月と続く前提で計算をしたものです。
その後、政府が5月は「中東以外から輸入が3倍」になる「見通し」を発表したので、5月は135万klに増えている見込みです。
ただ私は境野さんの2倍予想だけでなく、3倍のパターン~最大4倍までならどうなるかも4月初旬に計算してみたのですが、
3倍でも大幅に供給が足りない、のは同じで、4倍ならようやく供給不足が消える、という結果でした。(この話は何度も書いてますが)
だから4月にマスコミが具体的な量も書かずに「ナフサの中東以外からの輸入が2倍になりました」と、まるで安心な状況になっているかのような報道をしていることを批判してきました。
詳しくない国民がその報道を見たら
「なんか知らんが2倍になったんか。だったら大丈夫そうやな。高市さんも頑張ってはるわ~」
などと思い込むに決まっているからです。で、実際リアルでそういう人が私の周りだけでも複数人いました。
ただ、「中東以外からの輸入を4倍で維持し続けられれば、確かに数字上はナフサの需要を満たすことができるが、世界中で石油とナフサの争奪戦になる中で、そんなことができるとは思えない」とも、本メルマガでお伝えしてきました。
これも私の単なる根拠のない主観で言ってるのではなく、アメリカをはじめとする石油やナフサの輸入ができる国の輸出量やその国の状況なども、私なりに数字で調べた上で出した予想でした。
結果的に、やはり境野さんの予想通り、4月に約100万 klもの供給不足が発生していたことが、政府の石油統計で判明した形です。
5月は上記の通り中東以外からの輸入が3倍になっている政府発表があったので、それを信じるなら4月の供給不足よりはマシになりますが、
それでも元の需要(月に約290万kl)は満たすことはできませんので、4月の35%減の影響も含め、
企業の現場レベルでは(特に真っ先に影響が出やすい)塗装業界などを始め、ナフサ関連業界で生きるか死ぬかの売上激減になっており、倒産・廃業も膨大な数になってきています。
今回の4月の石油統計の発表で、ナフサの未曽有の大幅な供給不足が確定したわけですが、
川上から川下までにタイムラグがありますので、これからそのマイナスの影響が日を追うごとに大きくなっていくのは確実です。
この点を指摘したコメントが、朝日新聞のYahoo!記事にありました。参考になるので引用しますと、
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(前略)
ナフサは保存が1ヶ月程度なので、在庫が直ぐに無くなり、それで前年比35%以上の減少なんで、
月追う毎に供給不足は深刻化をして、あらゆる分野にも波及をして拡大をしている。
次に起きるのが、8月以降の備蓄原油危機になり、ナフサもそうだが、ガソリン、軽油、重油、灯油など、
あらゆる石油製品の供給不足は深刻化をして、日本の危機とも言える。
高市総理の危機管理は皆無とも言える。
※引用:「4月のナフサ販売量は前年同月比35%減 輸入4割減、生産も2割減(朝日新聞)」
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・・・長いのでコメントの前半は省略しましたが、その内容を見てもおそらく一般人ではなく、専門家かそれに近い方かと思います。
意見の内容は、完全に私も同意です。この危機は大地震などの自然災害とは違い、少しずつ確実に進行していく性質の危機であり、それが数字でも明らかなので、
今後どう考えても、あらゆる業界で月を追うごとに危機が深刻化していくというのが、論理的に必然の帰結です。
「そうはならない」という根拠がどこにもありません。エセ有識者でそうならないと言ってる人は複数いますが、強引な屁理屈や論点そらしばかりで「数字」で説明した人は誰一人いません。(一人でもいたら教えて下さい。)
また近いうちにご紹介すると思いますが、以前ご紹介したIEA(国際エネルギー機関)やIMF(国際通貨基金)や世界銀行、世界貿易機関(WTO)が、
新たに「夏前に石油が急減する!危ない!」という趣旨の発表を出しました。
前と違い、状況が進展してるので具体的な時期までわかってきてます。でも夏前って・・・もうそろそろちゃうの?(`ロ´;)
いずれにしろ、大筋ではすべてこのメルマガで3月~4月初旬に予想した通りの展開になっておりますので、
この後の展開も、多少のタイムラグはあれ大筋で予想通りの流れになるとしたら、
正常性バイアス(or情報不足)で備蓄していない人は、そのうち本当にヤバいことになると思われます。
P.S
備蓄や今回の危機のシミュレーションになるおすすめ映画「サバイバルファミリー」を観た皆さんから、非常に好評です。
ご家族で見て、旦那さんが「もう1回観る!」とおっしゃった方も。
私も10年ぶりに少しずつ見ているのですが(最近そういう映画の見方をしてます笑)、本当に面白いです。
基本コメディタッチの感じがあるので、エンタメとして楽しみながら、電気・水道・ガスなどがすべて止まったリアルな状況を学べます。
まだの方はAmazonプライムやYouTubeでも無料で観れますので、よかったら観てみて下さい。