世界の原油在庫が急減。石油急騰まで2〜3週間で限界間近

 

こんにちは、中西です。

 

一昨日の本メルマガで、アメリカの戦略石油備蓄が残り17日にまで激減しているというデータをご紹介しました。

 

その数日前には、IEA(国際エネルギー機関)とIMF(国際通貨基金)、世界銀行、WTO(世界貿易機構)の4つの国際組織が、

 

「夏前までに世界の石油が枯渇するリスクが急激に高まっている」

 

という緊急声明を発表したことをお伝えしました。

 

いずれも海外のアカウントやメディアが発表したものだったのですが、ついに本日、時事通信がこの事実を伝え、Yahoo!のトップニュースにまでなっておりました。

 
 

▼世界の原油在庫急減 数週間で相場急騰も 取り崩し、限界迫る(時事通信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ac031a461ca9426a8b251a86eac63380d278ac6

 
 

記事から一部引用しますと、

 
 

『業界関係者からは、数週間で限界を迎え、価格急騰が始まるとの見方も出ている。

 

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の石油在庫は3、4月に計2億4600万バレル減少と「記録的なペース」で取り崩された。

 

4月末時点の在庫は約79億バレルで、世界消費量の80日分近いが、供給の2割はホルムズ海峡封鎖で閉じ込められ、見た目ほどの余裕はない。

 

さらに、パイプラインや貯蔵タンクなど関連インフラ運用のために動かせない在庫も多い。現実的に需給調整に利用できるのは「8億バレル程度」(米銀)との試算もある。

 

ホルムズ海峡封鎖の影響で、世界最大の産油国の米国からアジアや欧州への輸出が増加し、米国の原油在庫も急速に消失。

 

封鎖直後は出荷が滞り一時的に増えたが、4月以降は大幅な減少が続く。(中略)

 

業界の危機感は強い。

 

米石油大手エクソンモービルの幹部は5月末、在庫が「前例のない(低い)水準」に向かっており、「ひとたび到達すれば価格が急騰」して1バレル=160ドルに達する可能性があると予想。

 

それが「2週間後か3週間後なのかは議論の余地がある」と述べたが、近い将来に起き得ると警鐘を鳴らした。

 

米シェブロンのワース最高経営責任者(CEO)も、供給不足に対する在庫の余力である「バッファー」が消えつつあると指摘。今後「数週間で圧力が価格に波及する」との見通しを示している。』

 
 

冒頭でもお伝えした4つの国際組織の緊急声明や、アメリカの残り備蓄のデータも非常に深刻なものでしたが、

 

この時事通信の記事の内容を見ても、世界的な残り備蓄が極めて深刻な状況であることが分かります。

 

「石油の在庫が前例のない低い水準に到達して、価格が急騰するまで、2週間なのか、3週間なのかは議論の余地がある」

 

とのことですが、2週間後でも3週間後でもたいして変わりません。

 

「まもなく起こる」「6月には起こる」ということなのですから。また、

 

「4月末の時点で、世界の在庫は約79億バレルで、世界の消費量の80日分近い」

 

とありますので、世界の消費量は1日あたり1億バレルほどということでしょう。

 

しかし実際は、この80日分という数字は大幅に甘く見積もられた数字で、

 

「見た目ほどの余裕がない」
(実際は80日分もない)

 

と書かれています。

 

しかも、パイプラインや貯蔵タンクなど関連インフラ運用のために動かせない在庫も多いとありますが、

 

これはまさに、日本の民間備蓄が備蓄として使えないのでカウントしてはいけないという、エネルギーアナリスト岩瀬昇氏の主張と全く同じです。

 

この件については、本メルマガでも何度もお伝えしてきましたが、

 

政府が発表している残り備蓄というのは、国家備蓄と民間備蓄と産油国共同備蓄の3つを足したもので計算されています。

 

ところが実際は、産油国共同備蓄は微々たるものなので、カウントしなくてもいいと思いますが、民間備蓄は相当な割合をカウントしているのです。

 

しかし、民間備蓄というのは、この記事にもあるように、パイプラインや貯蔵タンクの下の方にある原油や、ガソリンスタンドの地下にあるもの、運送中のものなど、すぐには使えません。

 

そのため、民間備蓄を省くと、国内の石油備蓄の実態は、最初から100日前後しかなかったという話をしてきました。

 

そして同じようにカウントすると、

 

「世界の残り備蓄は実態として8億バレル程度しかすでにない」

 

という試算を、アメリカの銀行が出しているということなのです。

 

8億バレルということは、先ほど書いたように1日1億バレルが世界の消費量であれば、8日分しかありません。

 

アメリカは残り17日ですし、世界の備蓄も8日ほどしかないということであれば、本当に危機的な事態が迫っていると言えます。

 

もちろん備蓄を全部使っているわけではなく、新しく産出できる石油もあるわけですが、

 

今の残り備蓄日数が異常であり、この1か月ほどで急激に危機的レベルまで減っているということです。

 

結果、4つの国際機関が、最大限の警告を発しているということ。

 
 

高市政権はこの状況で、アメリカが来年4月まで今後も日本に大量の輸出をしてくれるという見込みで、「来年4月まで大丈夫」などと発表していますが、そんな都合よくいく可能性は低いです。

 

これから世界中で石油が枯渇し、石油とナフサの争奪戦に突入していくため、今回の時事通信の記事にも書かれているとおり、今後、まもなく価格が暴騰する可能性は極めて高いです。

 

その時に円安で日本は買い負けてしまったり、買えたとしてもとんでもない高額で購入するしかなくなったりするため、

 

日本中の石油関連企業が持ちこたえられずに倒産、廃業していくリスクが飛躍的に高まります。

 

記事では、アメリカの石油大手であるエクソンモービルの幹部らが、「あと数週間で石油の価格が暴騰する」と指摘していますが、

 

備蓄がここまで激減しているわけですから、そうなるのは必然です。

 

逆に、そうならない理由がどこにもないということです。

 

もちろん、ホルムズ海峡が完全に解放されれば、解決に少しずつ向かっていくわけですが、

 

本日もアメリカ軍が停戦中にもかかわらず、イランのレーダー施設を攻撃しています。

 
 

▼米軍、イランレーダー施設を攻撃(AFP=時事)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5415d69230f6135baf949bbaae57f3df135bff1a

 
 

少し前に、一見、戦争が終わるかのような報道もありましたが、結局また攻撃が始まっているわけです。

 

トランプはこうやって一見終わると見せかけて、また攻撃をすることで、株価や市場をコントロールして息子を始めとする身内で大儲けしているわけです。

 

これをインサイダーならぬ「自分サイダー」などと表現している人がいましたが、言い得て妙だと思います。

 
 

いずれにしろ、いまだに戦況はこじれまくっており、戦争終結が全く見えていない状況です。

 

現在もスーパーやドラッグストアなどのお店に行っても普通に商品が並んでいるので、この状況が今後も続きそうに錯覚してしまいそうになりますが、

 

石油やナフサの備蓄状況は世界全体で日々深刻化しています。

 

政府や高市総理の、事態の深刻さをやたら隠ぺいしたがる大本営発表を鵜呑みにしてはいけないのはもちろんですが、

 

世界全体として石油の備蓄がどうなっているかも把握していないと、

 

政府や高市総理の嘘や根拠のない楽観論にだまされて、気付いた時には世界的な危機にのみ込まれてしまいかねません。

 

上記の通り、状況の急変(特に世界的な備蓄の枯渇による価格急騰)が数週間後に迫っている可能性が高まっているので、くれぐれも油断をしないことをおすすめします。