政府の発表を信じる者は救われない(石油危機)

 
 

こんにちは、中西です。

 

ホルムズ海峡と石油危機の状況がまた新たに動き出しました。

 

まずイランがホルムズ海峡の封鎖を宣言してしまいました。今回は完全封鎖になります。

 

▼イランがホルムズ海峡封鎖を宣言

 
 

今まではなんだかんだ言って封鎖中も通れる船舶は一部ありましたが、今回はすべての船舶を完全に封鎖するようです。

 

その証拠にホルムズ海峡を通ろうとした2隻の船舶がイランから攻撃を受けました。

 
 

▼海峡通航を試みた船舶2隻を攻撃とイラン

 
 

少し前に、このままいけば間もなく戦争が終わるような雰囲気がありましたが、結局またこうやって状況が元に戻っています。

 

何度も何度もこんなことが繰り返されているわけですが、私たちの心構えとしては

 

要するに「ホルムズ海峡の封鎖はまだまだ当面続く可能性の方が圧倒的に高い」と考えておくべきでしょう。

 

たしかに何か奇跡的なことが起こって、戦争が終わる可能性もゼロではないです。

 

しかしこれまでの状況とアメリカ・イスラエル・イランのそれぞれの状況を見る限り、

 

我々の取るべきリスク管理としては、以前のイラク戦争やベトナム戦争やウクライナ戦争といった戦争と同じように、数年単位で続く前提で考えておくべきだと思います。

 

日本政府は相変わらず事態の深刻さを矮小化する表明ばかりしていますが、現場レベルでは全く事態は良くなっていません。

 
 

▼ポリ袋やレジ袋「そもそも商品が入ってこない、企業努力でどうにかなる状態ではない」燃料費月100万円以上増の運送会社も…ナフサ製品品薄で県内悲鳴

 
 

読んで頂ければわかりますが、タイトルにもある通り「企業努力でどうにかなる状態ではない」のです。

 

これを政府は石油やナフサの供給不足ではなく、企業の買い占めによる目詰まりなどと、企業の責任に転嫁しています。

 

ところが、何度もご紹介してきたように、その政府が発表している一次資料を確認すれば、そもそも石油もナフサも供給が足りていないことが明らかなのです。

 

その辺の数字はマスコミで報道されることはほとんどありません。少なくとも私自身は見たことがないです。

 

例えば、政府は前に「ナフサの中東以外からの輸入が通常の45万キロリットルから90万キロリットルに4月は2倍になった」と大々的に発表していました。

 

ところが4月の実際のデータが少し前に出て実際は70万キロリットルしか入ってきていなかった事が分かりました。

 

2倍どころか1.5倍程度であり、政府発表の2割以上も少ない状況だったのです。

 

2割以上も少ないというのは大変なことです。

 

資源エネルギー庁アドバイザー境野春彦氏もこの4月の結果を取り上げ「政府の発表は全く信用できない」と投稿されていました。

 

ちょうど最新の文春砲で、安倍元総理が生前に高市早苗議員に対して「嘘をつく癖がある」「話を盛る」と批判していたことと、その具体的な事例が明かされていたのですが、

 

まさに70万キロリットルしか入ってこないのに90万キロリットルと盛りまくるのは、高市総理の特質である虚言癖そのものです。

 
 

問題は、4月がこの結果であれば、5月も同じような状況だった可能性が高いことです。

 

5月は3倍の135万キロリットルが入ってくると発表していましたが、4月と同じようにはるかに少なかった可能性があります。

 

現場の悲惨な状況を踏まえても、十分考えられる話です。

 

そしてそうであれば、本日大きく報道されていたこちらの発表も到底信用できず、話半分で聞いておいた方がいいでしょう。

 
 

▼7月にはホルムズ海峡経由以外から100%調達へ 中東情勢の“緊迫化”受け、政府は原油調達を多角化

 
 

実は、この報道は話を盛っていなかったとしても、100%の調達だったとしても問題だらけなのです。

 

これまで本メルマガをご覧いただいていた方であればわかるかと思いますが、

 

まずアメリカ産の代替調達は、油の質などいくつもの点で問題だらけで、まともに利用できるものではありません。

 

加えて、そもそも報道の100%というのは、前年の石油の消費量の数字との比較で100%に達したということなのですが、

 

その前年の数字に大きなごまかしがあるのです。しかし上記の報道を見ても(おそらく全メディアそうでしょうが)、「100%調達」の100%の部分の根拠となる数字はスルーしています。

 

この詳細についてはかなり長くなるのですが、非常に重要な観点なので、改めてしっかりと解説する予定。

 
 

政府は4月からずっと「供給は問題ない」と言い続けていますが、データでは明らかに石油もナフサも供給が減っていて、この時点で完全に嘘が確定しているわけです。

 

そうやって政府が楽観的な都合のいい数字を発表している状況と並行しながら、現場レベルでは企業が悲鳴を上げているのが現状です。

 

そして、この政府の発表と現場の惨状との乖離は、今後ますます大きくなっていく可能性が高い、というよりほぼ確実な状況です。

 

前回も日経の報道を紹介しましたが、500人以上の大規模な製造メーカーの実に4割が、半年以内に消滅しかねない状況になっています。

 
 

▼ホルムズ海峡危機で「半年以内に事業継続限界」計4割 レジリア調査(日本経済新聞)

 
 

500人以上の規模で4割ですから、それ以下の中小零細・個人事業はもっと多くの割合で深刻な事態になっているのは確実です。SNSなどの声を見ても明らか。

 

しかしそれらの現場の人たちの声は政府にとっては都合が悪いので無視されています。

 

ツッコまれたら目詰まりが原因とか、自分で対処しない企業が悪いといった話になるわけです。国民を救う気などまるでありません。

 
 

80年前の戦争で「日本は勝ち続けている」と政府は都合の悪い現実を隠蔽して発表し続けていましたが、

 

実際の戦争の現場では非常に壮絶で悲惨な状況になっていて、その結果、最終的に日本がどうなったかはご存知の通り。

 

高市総理の尋常ならざる病気レベルの虚言癖を差し引いたとしても、そもそもいつの時代も、政府は都合の悪い事実を隠蔽しまくるということです。

 

あるいは田中角栄の時代なら、こんなことにはなっていなかった可能性が高いと思います。

 

しかし、よりにもよって今の総理大臣は虚言癖で詐欺師であることが多数の証拠と共に完全に確定している人物です。

 

この状況で政府の発表、総理大臣の言葉、マスコミの報道を丸ごと信じて、検証もせず鵜呑みにしていると、100%の確率で騙されると言い切れますので、

 

とにかく今回の危機では、楽観的な報道ほど徹底的に疑うことが、何よりも重要になります。