最新版→石油備蓄が残り〇〇日で鬼ヤバい(徹底分析)

こんにちは、中西です。
 
スイスでアメリカとイランの対面協議が始まりましたが、早速不穏な空気が漂っております。
 
イランの代表団がブチ切れて退席し、交渉がまともにできない状況になってしまいました。

 
 
▼スイスで米イラン対面協議開始 イラン代表団退席し交渉難航か(テレビ朝日系(ANN))
 
▼ アメリカ、イラン「覚書」署名後初の協議開始 トランプ大統領の再攻撃示唆にイランが反発、会場を離れる(FNNプライムオンライン)
 
 
そもそも、この覚書の署名と合意の最中に、イスラエルがレバノンに攻撃してしまったので、イランはホルムズ海峡を再び封鎖してしまっています。
 
その経緯を考えますと、交渉が難航してまとまらない可能性が高かったわけですが、実際その通りになっているようです。
 
いずれにしても、我々日本国民としては、戦闘終結が進んで和平に向かうはず、と都合良く考えず、今後も当面ホルムズ海峡は封鎖され続ける前提で考えないといけないと思います。
 
 
そこで、改めて6月15日に発表されていた資源エネルギー庁が発表している「石油備蓄の現況」の資料を確認してみました。
 
これは最新のデータですが、「4月末」時点での日本の石油備蓄の詳細が1枚のPDFにまとめられています。
 
 
▼石油備蓄の現況(6月15日発表、4月末時点)
 
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl001/pdf/2026/260615oil.pdf
 
 
前回ご紹介した財務省が6月17日に発表した5月の貿易統計のデータによると、アメリカからの輸入は57万6千キロリットルで、バレルに直すと約362万バレルほどでした。
 
これはIEA(国際エネルギー機関)の日本の1日の消費量の基準で言うと、1日と3時間ぐらいになります。
 
政府が公表している日量235万バレルで計算する場合でも、1.5日分しかありません。
 
 
▼令和8年 5月分貿易統計(速報)※6月17日発表
 
https://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2026/2026054.pdf
 
 
5月のアメリカ以外からの原油の輸入について見ると、ASEANを含めたアジアやロシアからも一応輸入はあるものの、
 
それぞれ7万9,000キロリットル・5万8000キロリットルとわずかでしかありません。
 
残りの396万7,000キロリットルは中東からの輸入でした。これはバレルで換算すると中東からは約2,495万バレルに相当します。
 
アメリカと中東を合わせた輸入量は約2,993万バレルで、この2つの地域で日本の輸入の大半を占めています。
 
そしてこの量は、日量235万バレル換算では約12.7日分しかありません。
 
つまり、5月の31日間のうち輸入で賄えたのは約13日分で、残りの18日分は備蓄を使ったということになります。
 
(政府は5月に20日間の備蓄放出を発表していますので、ほぼ一致)
 
 
それにしても、1ヶ月のうちわずか1.5日分のアメリカからの輸入で、政府もマスコミも大々的に、まるでアメリカからの代替調達でなんとかなるような報道をしていたのです。
 
 
さらに政府はこの代替調達で、5月は前年の 65%を見込めるとしていましたが、実際は40%ほどしかありませんでした。
 
 
以上が前回までのおさらいですが、さらに今回確認した「4月末」時点での「石油備蓄の現況」の資料を見ると、
 
4月末の時点で国家備蓄が2.3億バレル、民間備蓄が0.6億バレルとなっていました。
 
(備蓄にはもう一つ産油国共同備蓄がありますが、0.01億バレルと非常に少ないのでカウントしません。)
 
そして民間備蓄はエネルギーアナリスト岩瀬昇氏の見解やIEA(国際エネルギー機関)の基準を踏まえると(民間備蓄は実質的にほとんど使えないため)備蓄に含めてはいけないことになるのですが、
 
とりあえず25%ほど民間備蓄から使えると仮定して計算してみました。
 
そうすると、4月末時点で実際に使える実行備蓄としては、国家備蓄の2.3億バレルと民間備蓄の0.6億バレルの25%である0.15億バレルとなり、
 
この2つを合わせると2.45億バレルとなります。
 
5月に使った備蓄は20日分ということでしたが、これは1日あたり政府が発表している235万バレルで計算すると、235万×20日分で約4700万バレルになります。
 
そうすると、6月1日時点の実行備蓄は(2.45億−約0.47億で)約1.98億バレルとなっていたはずです。
 
はずですというのは、現時点ではまだ4月末時点での備蓄しか発表されていないので、公開されているデータから予測するしかないのですが、この数字はほぼ間違いないはず。
 
(民間備蓄で使える分を25%と仮設定したのがどこまで妥当かで前後しますが、当たらずとも遠からず、のはず)
 
 
今のところ政府は7月は、代替調達は昨年の100%を維持できると発表していますが、
 
4月と5月の発表内容と実際の結果を見る限り、6月も7月も、実際は大幅に下回る可能性が非常に高いです。
 
特に7月以降は、現在のアメリカ自身の備蓄状況が約17日から約4週間ぐらいにまで激減しています。
 
よって、これまで通りアメリカが日本に輸出してくれる可能性は非常に低くなってきているのですが、
 
仮に5月と同レベルの輸入が6月も7月もできたと仮定しても、上記の通り約20日分の備蓄を放出していく形になります。
 
先ほど6月1日時点の使える備蓄の量が約1.98億バレルだと言いましたが、これは大体ほぼ間違いない数字のはずですので、
 
この約1.98億バレルを1日の消費量235万バレルで割りますと、なんと
 
 
残り84日分(3ヶ月弱)
 
 
ほどしか残っていないことになります。
 
1ヶ月あたりの石油の消費量は季節や月によって若干変わるので、235万バレルは5月の昨年の消費量ですが、変わると言ってもそこまで大きくは変わりません。
 
なのでざっくり言うと、6月1日の時点であと約3ヶ月分ほどしか日本には石油の備蓄が残されていない、というのは大筋で間違ってはいないはずです。
 
 
とはいえ、代替調達も中東とアメリカから輸入は入ってきているので、
 
備蓄の残り日数が84日分だからといって、84日後に全ての石油が枯渇するわけではないです。
 
だからといって大幅にその日数が伸びるわけでもなく、繰り返しますが、5月は備蓄を20日分使っています。
 
それと同じペースで6月以降も備蓄を消費した場合どうなるかといいますと、
 
 
【 10月に国内の石油の備蓄を使い果たす 】
 
 
ことになります。あくまで
 
「5月の石油の輸入量と国内の消費量が、6月以降も同じように続いた場合」
 
という前提ですが、その可能性は普通にあります。
 
むしろ状況によっては、6月、7月以降は中東やアメリカからの輸入が5月より少なくなる可能性も十分にあります。
 
何度も言うように、アメリカ自身が自国の石油備蓄を取り崩している状況になって、それで戦争を終わらせようとしています。
 
中東や中東以外からの石油も世界中で争奪戦になっているからです。
 
(加えてアメリカの油は軽質油なので、中東の中質・重質油に最適化された日本の製油所では中東8:アメリカ2ぐらいの割合で精製する必要があるようです。※資源エネルギー庁アドバイザー境野春彦氏の見解)
 
したがって、今回の危機の発生当初からお伝えしていた通り、
 
 
【 ホルムズ海峡が完全開放されない限り、国民生活の崩壊に突き進む 】
 
 
という最重要ポイントは何一つ変わっていないと言えます。
 
代替調達で少しは延命できていますが、代替調達はあくまで緊急時の補助的な分でしかありえず、代替調達だけで何ヶ月もやっていける構造にはなっていないのです。
 
したがって、今回のホルムズ海峡の再封鎖がこのまま続いた場合、10月で完全枯渇しますが、
 
10月に初めて危機が訪れるわけではなく、そこに至る前から国内は危機的状況に入っていきます。
 
さすがに、遅くとも残り1ヶ月になった時点では政府も大きく動かざるを得ませんので、緊急事態宣言や強烈な節約の要請に遅くとも1ヶ月前には入っていく可能性があります。
 
アメリカも備蓄が残り約4週間にまで減って戦争をやめるまでに至ったとトランプが自ら告白してしまいましたが、
 
自分で石油を採掘できる産油国のアメリカでさえ、1ヶ月前には戦争をやめざるを得なくなったほどなのです。
 
まして産油国ではない日本は、1ヶ月前、つまり9月頃には非常に危機的な状況に国内がなっていく可能性が高いです。
 
現在を6月末だと考えると、残り2ヶ月半~3ヶ月ぐらいしかありません。
 
 
今回の危機は3月からスタートしていて非常に長期戦になっています。
 
代替調達が進んだり、政府・総理大臣が大本営発表をしたりもしていて、かつお店からはまだ商品が消えていないので、
 
「もう大丈夫ちゃうの」
 
と思い込みやすい状況になっていると私自身は感じております。
 
そこに正常性バイアスも加わってくるでしょうし、何より長期戦で一旦和平ムードが漂ったので、
 
これ以上危機だと認識するのは、疲れすぎて脳が拒否する可能性もあると思います。
 
ところが上記の通り、実際の備蓄の数字と今後の強く予測される石油の減少ペースを考えると、
 
9月には非常に危機的状況に国内が陥って、政府が何らかの強制的な制限をかけざるを得なくなる可能性が高く、
 
それでもダメだった場合は、10月に想像を超える危機的事態に陥ります。備蓄が0になるわけですから。
 
あくまで今の状況が続けばですが、今の状況が続く可能性は非常に高いのです。
 
 
もちろんホルムズ海峡が再び封鎖されたこの状況が9月まで続けばという話ですが、
 
これまでの経緯を見る限り、あと3ヶ月続く可能性は全然普通にあると考えるのが自然な論理でしょう。
 
特にリスク管理の観点ではそう考えておくべきといえます。(悪い方を想定しておくのがリスク管理だから)
 
あるいは6月以降は5月よりさらに原油の輸入が少なかった場合は、「危機が前倒しになる」可能性も全然あり得ます。
 
 
要するにざっくりまとめると、国内が危機的状況にあり、刻一刻と非常に大きな危機が迫っている点は、依然何も変わっていないということです。
 
むしろ代替調達がどこまで可能か、4月・5月よりリアルに数字ではっきりしてきたと言えます。
 
結局当初からの予想通り、代替調達には限界があり、長期で当てにできるものではまったくなく、
 
今は代替調達が少し入ってきて、わずかに延命しているだけということ。
 
 
これまでこの危機は情報戦・認知戦になっていると言ってきましたが、
 
心理的・メンタル的な「耐久戦」にもなってきていると感じます。
 
はっきり言って疲れるわけですが、疲れてる人は現状を何も理解していない人より、まだ幸せかもしれません。
 
 
早く戦争が完全に終わって、ちょっと拍子抜けして、何なら
 
「中西さん、めっちゃ煽って警告してたけど、結果大げさやったね」
 
ぐらい言われたりして、
 
蓄えた備蓄を平和な状況で、ブツブツ文句を言いながら処理していく状況になってほしいものです。